杭抜底部流動化材埋戻工法

特許出願中 No2010-260870

 従来、杭を引抜いてできた穴には周囲の土砂が崩れて溜まっていたり、掘削に用いた水や地下水が溜まっていたりするため、単に穴の開口上部からの埋戻材の投入では均一かつ確実な充填とはならず埋戻材を投入しても穴の内部に十分に行き渡らないことが多々ありました。
 そのため、埋め戻した穴の内部に埋戻材の充填むらや空隙ができてしまい、地盤変状を生ずることとなり、 この地盤変状が生じている場所に新たに杭打ちを行うと、掘削する杭打ち用の穴が斜行してしまったり、圧入する杭が斜行してしまうなどの不具合が生じるため、それが杭抜き後の現場において杭新設のための永年の問題でありました。
 このような杭抜後の地盤変状を防止するための杭抜き工法が過去にも開発されていましたが、それは鋼管等の中堀処理等が主なので、PC杭やBT,ED杭に用いることができないという不具合があり、また、杭外周面を掘削するケーシング挿入工程においては掘削抵抗減少のために先端より水または泥水を吐出させなければならず、その他に地下水の混入等もあり、杭底部には埋戻材をそのまま投入しても溜まっている水や土砂と混ざった状態で固化してしまうため地盤変状を生じてしまう可能性を残したままでした。
 そこでその問題を解決させるには杭抜き穴に埋戻材を均一かつ確実に充填させるために杭抜き穴の底部より埋め戻し材を投入し、内部に溜まっている水や土砂を浮かせてゆきながら充填する必要があると考え、より確実に底部より埋戻材を充填するためにと開発したのが、杭抜底部流動化材埋戻工法です。
 これにより杭外周面掘削完了後に坑内の底部まで特殊な連結形状(特許出願中)のパイプを必要数建て込み、既設杭の引抜きと同時に底部より埋め戻し材を圧入し、杭抜き穴に空隙が生じることなく、水や土砂を浮かせながら安全かつ確実に埋め戻し材を充填することができるようになりました。
 また、この工法では既設杭の引抜き作業と埋め戻し材の充填作業が同時に行えるため作業の工期短縮にも繋がります。
 地盤変状防止、工期短縮の杭抜底部流動化材埋戻工法では現在直径2m程度、深さ70m程度まで対応可能です。
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